予算査定を上手くやるために必要なことは、相手の立場になって考えることです。
これは予算査定を行う財政課の査定担当者は当然として、予算要求側である事業課の予算担当者も同様です。
しかし、相手の立場になって考えるといっても予算査定という場ではそう簡単にできるものでもありません。
では、相手の立場になって考えることができるようになるためには、何をすべきなのか。
今回はこの点についてお話ししたいと思います。
相手の立場になって考えることの重要性
まずはじめに、予算査定とは折衝である、ということを理解する必要があります。
折衝とは利害の異なる相手と駆け引きを行うことです。基本的に自分にとって有利に事が運ぶように折り合いをつけることになります。
そんな折衝を上手くやるコツは、相手の本音と建前を理解することだと僕は思っています。
相手がなぜそんなことを言っているのかを考え、相手の要求内容とその裏に隠された本音を理解する。そうやって相手の妥協ポイントを見つけ出すことで、折り合いがつけやすくなると僕は考えています。
この辺については本記事では深く触れませんが、気になる方は本屋に行けばビジネス書がいくらでもありますのでそういった書籍を読んで勉強するとよいでしょう。
本題に戻りますが、相手の本音と建前を理解するためには、相手の立場になって物事を考えることが必須です。これができないと相手の本音と建前を理解することはまず無理でしょう。
とはいえ、予算要求をしたことがない財政課の査定担当者や、財政課経験のない事業課の予算担当者がいきなり相手の立場になって考えることは難しいですよね。
そんな方にオススメしたいのがこれから紹介する方法です。
オススメの方法
<あなたが財政課の査定担当である場合>
自分が担当している部局以外の事業課の予算担当と仲良くする
(もしあなたが土木部の予算査定であれば、農林部の事業課の予算担当と仲良くする、といった感じです)
<あなたが事業課の予算担当である場合>
他部局の査定を担当している財政課職員と仲良くする
(もしあなたが農林部の事業課で予算担当をしているのであれば、土木部の予算査定をしている財政課職員と仲良くする、といった感じです。財政課の査定担当の場合の裏返しになります)
これで予算査定という場面においては、ある程度相手の立場になって考えられるようになります。
ポイントは2つあります。
- 仲良くする相手が他部局の人、つまり直接の利害関係を持たない人であるということ
- 自分だけじゃなくて相手にも利益がある(Win-Winの関係)ということ
①について少し解説します。
利害関係があるとどうしても建前が邪魔をしてしまうので、利害関係がそれほどない相手と仲良くすることが重要になってきます。財政課の査定担当や事業課の予算担当の仕事は部局が異なっても同じような仕事内容であり、利害関係がない他部局であっても根本的な部分は変わらないため、問題なく話は通じます。
次に②についてです。
上記で説明した<あなたが財政課の査定担当である場合>と<あなたが事業課の予算担当である場合>は、単純に視点が逆になっているだけです。財政課の査定担当が仲良くしたい相手である事業課の予算担当からすると、財政課の査定担当が仲良くしたい相手です。要するに両想いの状況なので完全にwin-winですね。テイクするだけではなく同時に相手にもギブできるため、有益な関係だと言えますね。
この方法を実践するために人脈を活用する
上記のオススメの方法を実践するにはその相手と知り合う必要があります。
同じ自治体の職員とはいえ、面識のない人といきなり仲良くするのは困難です。
そのため、まずは人脈を活用して関係性を築くところから始めるとよいでしょう。
基本的には共通の知り合いを通じて知り合うのが現実的です。
具体例を挙げますね。
- (ヨコのつながりを活用する)
上記に該当する人が同期にいたら共通の知り合いの同期経由で紹介してもらう - (「ウエ→ヨコ」や「ヨコ→ウエ」のつながりを活用する)
自職場の先輩の知り合いや同期の職場の先輩を紹介してもらう
この方法でいけば、県庁規模の自治体でも一人くらいはつながれるはずです。
以前に人脈づくりに関する記事を書きましたのでそちらも紹介しておきます。参考にしてください。
終わりに
以上、予算査定において相手の立場になって物事を考えられるようになるためにやるべきことでした。
財政課の査定担当も事業課の予算担当も慣れるまでは本当に大変です。
今回オススメした方法は相手の立場になって考えられるようになるだけでなく、査定担当や予算担当のつらさを共有できる関係にもなり得ます。
そういう関係を支えにしつつ業務を乗り切ってほしいと思います。
頑張ってください。
もうすでに十分頑張っている人はたまには一息入れてくださいね。
ではまた。