事務(行政)系の公務員の皆さん
若手のうちに経験すべき業務とは何だと思いますか?
当然それぞれのキャリアプランによって異なるとは思いますが、一つの考え方としては
“公務員としては当然理解しておくべき知識やスキル、ノウハウを身につけることができる業務”
なのだろうと僕は考えます。
このような業務は沢山あるでしょうが、その中でも特に“予算関連業務”が若手のうちに経験すべき業務である、ということについてお話ししたいと思います。
なぜ予算業務を若手にうちに経験しておきたいのか
なぜ、「予算業務」が若手のうちに経験しておきたい業務の一つなのか?
という点について詳しくご説明していきたいと思います。
どんな事業をするにも予算(カネ)がいる
基本的に役所の事業には予算(カネ)が必要です。
中には予算のない業務も存在しますが、担当者の稼働という意味での人件費や事務用品の購入なんかにもお金が必要なため、厳密には予算が必要です(本題から逸れてしまうため、今回はこれ以上触れませんが大切なことです)。
とにもかくにも、事業と予算は切っても切り離せない、つまり、何をするにも予算が必要というわけであり、それだけ予算というものは役所において重要なものです。
ここで、予算という目線で事業をフォーカスしてみましょう。
↓↓
②予算執行
↓↓
③(必要に応じて)予算の補正
↓↓
④決算
上記の流れがどんな事業でも1会計年度の中で行われます(繰越し等の例外はありますがこれが基本です)。
予算を獲るのは一苦労
さらに言うと、先ほど“①予算獲得”とさらりと書いていますが、実はこれはとても複雑です。
予算要求から始まり、予算査定を経て予算案としてまとめられたのち、その予算案の審議がなされてようやく議会での議決。晴れて予算成立という過程をたどります。
特に新規事業や大きな事業、注目されている事業になるほど、この“①予算獲得”の部分が困難になります。
予算は取ったら終わりではない
ここまで予算獲得が大変だという話をしてきましたが、誤解してはならないのは、「そこさえ乗り切ればあとは楽勝!」なんてことではないということです。
例えば、予算を執行していく中においても、事業によっては都度財政課や予算とりまとめ課と協議が必要な場合もあります。
また、予算が足りない場合は急に事業に変更が生じた場合は「予算の流用」や「補正予算」が必要になるケースも往々にしてあります。
そのほか、余った予算を整理するために補正をすることもありますし、一会計年度が終わったあとに必要となる決算処理についても、予算獲得が大変だったような事業はこちらもそれなりに骨の折れる作業となります。
このように、“予算獲得”がもっとも大変なのですが、予算を獲得した後の業務も大変だということを理解しておくべきです。
予算を獲ることに関する知識・ノウハウは多くの部署で活かせる
ここまでをまとめると次のようになります。
- 予算はどんな事業にも必要なもの
- その予算を取るのが大変
- だけど予算を取ったあともそれなりに大変
予算は取るのも取った後も大変、そしてどんな事業をするにあたっても付いて回る
というわけですね。
ということは
この“予算”に関する業務に詳しければ詳しいほど、その知識・経験を色んな事業で活かせる
ということになり、つまり
“予算” についての経験は役所で働いていく上で役に立つことがとても多い
と言えます。
ここで一つ補足すると、ここで述べたことは実は裏返して考えることも重要です。
もし、予算の経験がないまま係長・管理職になってしまったらどうなるでしょう?
十中八九そこで苦労します!
なぜなら、予算がない係や部署は(基本的に)存在しないため、判断する立場として当たり前に知っていることが求められるからです。
なので、この観点からも、予算業務はできるだけ若いうちに経験しておきたい業務と言えます。
予算の仕事を経験できる部署・業務
最後に、予算業務はどんな部署や業務で経験できるのか?という点について述べておきます。
僕が思いつくところをざっと挙げてみます。
- 財政課(査定業務)
- 部局の予算とりまとめ/経理担当課(係)
- 所属(課)の予算とりまとめ/経理担当
予算” という流れを大局的に見ることができるのは、当然「財政課(査定業務)」でしょう。
逆に、「所属(課)の予算とりまとめ担当」となると財政課よりも事業に近い目線、つまり局所的に見るイメージになります。
「部局の予算とりまとめ課(係)」はその二つの中間といった感じでしょうか。
僕自身は上記3つすべてを経験することができましたが、そこで感じたのは
同じ予算(に関する業務)といっても、それぞれの部署(業務)で立ち位置が異なり、それぞれ違う学びがあった
ということです。
どれが一番だとか言うつもりはありません。
それは、その人の特性やキャリアプラン、業務において担当する内容、役所の特性など様々な要因によって異なるからです。
いずれの部署(業務)にせよ、予算というものにどっぷり浸かれば、必要なレベルの知識や経験は得られることでしょう。
まとめ
今回は“若手のうちに経験しておきたい業務”として“予算”を取りあげて記事にしてみました。
いかがだったでしょうか。
ポイントをまとめておきますね。
- 予算は取るのも取った後も大変、そしてどんな事業をするにも避けられない
- これはつまり、“予算”に関する業務に詳しければ詳しいほど、それを色んな事業において活かせるということ
⇒ “予算” についての経験は役所で働いていく上で役に立つ場面がとても多い。
⇒ むしろ、“予算” を経験しないまま係長や管理職になると、そこで苦労する可能性がかなり高い
- 財政課(査定業務)
- 部局の予算とりまとめ/経理担当課(係)
- 所属(課)の予算とりまとめ/経理担当
これらの業務はいずれも楽ではありません。
一方で、繰り返しになりますが、“公務員としては当然理解しておくべき予算に関する知識やスキル、ノウハウを身につけることができる業務”であり、異動したり担当業務が変わったりしてもその経験が役に立つ場面が多いです。
そのことを踏まえると、予算業務は積極的に経験していきたいですし、もし若手のうちに経験する場面に遭遇した場合、色々と苦労するとは思いますが、自分を成長させる良い機会に恵まれたと思い前向きに捉えることが大事です。
さてここまで読まれた方に大事なことをお伝えしておきます。
日々の業務が大変な中でもこの記事を見つけだして、そしてここまで読まれているということはそれだけ頑張り屋さんなのでしょう。
その努力は絶対に無駄になりません。
僕も最初はわけもわからず努力してもがいていました。
そして数年経って振り返り、あのとき努力してよかったなと思えました。
あなたもきっとそうなるはずです。
応援しています。