生活保護のケースワーカーはできるだけ多くの他法・他施策を知っておくべき、という記事を以前に書かせていただきました。こちらの記事です。
とはいえ、ケースワーカー初心者の方はまだまだ他法・他施策の引き出しが少ないというのが現実だと思います。僕もケースワーカーになりたての頃は他法他施策を全然知らなかったので、かなり苦労しました。
頑張って覚えようとしても膨大な量がありますので、それをいきなり覚えるのは無理ゲーだと思います。
なので初心者のうちは参考書を活用すべきです。
当時の僕も他法他施策の引き出しが少ないという弱みをカバーするために参考書をフル活用しました。
ケースワーカー時代の僕がお世話になった他法他施策の参考書は2冊あります。
というわけで、今回はその2冊の参考書を皆さんにご紹介します。
『社会保障の手引き <施策の概要と基礎資料>』 - 中央法規出版
一冊目はこちら。
中央法規出版の『社会保障の手引き <施策の概要と基礎資料>』です。
もしかすると「すでに職場に置いてある」って方もいらっしゃるかもしれません。僕がケースワーカーをしていたときも職場に置いてありました。
なので、僕がいた職場では僕以外のケースワーカーも皆この本を活用していました。
社会福祉事務所や自治体の総合相談業務に携わる方が、
相談者のニーズに応じて適切な社会サービスを紹介できるように
多様な制度を1冊にまとめた書籍です。幅広い社会保障(社会福祉含む)の関連サービスの仕組み、手続きや
窓口などを整理したサービス利用ガイドブックとして、
福祉事務所職員、自治体職員、MSW、その他相談業務に従事している人
(企業の社会保険実務担当、相談支援従事者(生活困窮者自立相談支援事業等の総合相談)、社労士)
にご活用いただいています。2022年版でも、国民年金保険料の改定、年金額の改定、
年金生活者支援給付金額の改定、介護報酬改定、
障害福祉サービス等報酬改定、母子父子寡婦福祉資金貸付金の額の引き上げ、
生活保護基準の見直し、戦傷病者等の妻に対する特別給付金の支給、
最低賃金額の改定葬祭扶助基準額の引き上げに伴う葬祭料・葬祭費の額改定、
交通遺児等育成基金、 日本学生支援機構関係の改定など多様な施策に対応し、
実務に役立つ最新の情報を盛り込んでいます。【主な目次】
社会福祉一般/高齢者の保健福祉/障害者の保健福祉/児童の福祉/母子及び父子並びに寡婦の福祉/母子保健/生活保護/生活困窮者等の支援/社会福祉施設/戦傷病者、戦没者遺族等の援護/特殊疾病対策/社会保険制度/就職・雇用促進諸施策/就学奨励その他児童生徒の援護/社会福祉関係税制/主要諸施策の概要一覧「商品の説明」 – Amazonより引用
このように、国民年金の改定など最新の社会保障制度がわかりやすく解説されています。
書籍データ
判型 A5 ISBN 978-4-8058-8419-5 発行日 2022年1月10日 頁数 792頁 価格 3,300円(税込)
この本を出版しているのはケースワーカーにはお馴染みの中央法規出版さん。「生活保護手帳」を出している出版社ですね。この点も安心できるポイントです。
ちなみに、これだけの制度を網羅しているので、毎年、各制度の変更点が反映された最新版が発行されています。
最新版は毎年1月に発行されており、2022年10月14日現在の最新版は、2022年1月10日発行の2022年版です。
もし、この本が職場にない場合は、公費で購入できるかもしれませんので、まずは上司に相談してみると良いでしょう。
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『医療福祉総合ガイドブック』 - 編集:NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会
2冊目はこちらの『医療福祉総合ガイドブック』。
『医療福祉総合ガイドブック』は医療・福祉サービスを幅広く網羅したガイドブックです。
必要な医療福祉サービスが見つかる! わかる! 活用できる!
医療福祉サービスを利用者の生活場面に沿って解説したガイドブックの2022年度版。最新情報のフォロー、解説の見直しによりさらに理解しやすい内容に! 医療保険、生活保護、年金保険、介護保険、障害者総合支援法、子どものいる家庭への支援、自然災害に対する支援等、全国共通で利用頻度の高い制度から地域によって異なるサービスまで幅広く網羅、コロナ禍で利用できるサービスも解説! 医療福祉関係者必携の1冊。
初めて聞く医療・福祉サービスに出会ったら、まずこの本で調べて制度の仕組みとポイントを理解するという使い方を僕はしていました。
少し話が逸れますが、この『医療福祉総合ガイドブック』は生活保護のケースワーカーの方よりも、病院の医療ソーシャルワーカーさんやケアマネさんに多く読まれていると思います。
ケースワーカー時代、医療ソーシャルワーカーさんとの会議の場でこの本を出したら、「あっ、私もその本持ってますよ!」ということが実際にありました。
それだけ仕事で社会保障に携わる方々の定番書だということでしょう。
■本書の工夫
本書では,より読みやすく,利用しやすいように以下の点に留意しています。本書の編集は,「もし,自分が利用するならば……」と自問しながら,進めています。1)法律や役所から示されている説明文を載せるのではなく,すべての解説を利用者にわかりやすく言い換えました。
2)制度をひとことで説明する見出しをつけました。
3)「内容」「利用できる人」「利用者負担」「利用の方法」「コメント」など見出しをつけて,各項目はできる限り箇条書きで表記しました。
4)医療ソーシャルワーカーが相談に用いる図,表,イラストをふんだんに使いました。
5)医療ソーシャルワーカーの視点から全体を構成して,「column」「ミニ事例」「ミニ知識」などを通じて医療・福祉を総合的に補足しています。
親切丁寧に編集されていることが伝わってきますね。本当に頭が下がります
このガイドブックの良い点はまさに上記の点なんですね。ケースワーカーを含めソーシャルワーカーの方が現場で使いやすいようにという視点で書かれており、利用者の生活場面に沿って分かりやすく解説されています。
書籍データ
判型 A4 頁 332 発行 2022年4月 定価 3,630円 (本体3,300円+税) ISBN 978-4-260-04945-0
『医療福祉総合ガイドブック』についても『社会保障の手引き』と同様、毎年最新版が発行されています。
2022年10月14日現在の最新版は、2022年4月11日発行の2022年版になります。
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まとめ
以上、他法他施策の知識不足を補うために僕が実際に使っていた参考書を2冊紹介しました。
先ほども少し触れましたが、僕がケースワーカーをしていたときの職場では、この2冊の参考書どちらも毎年最新版を公費で購入していました。
特に『社会保障の手引き』については生活保護の部署であればどこの職場でも置いてそうな気がします。
なので、まずは職場を探してみてもいいかもしれません。
もし職場に置いてない場合は課や係に1冊あるだけでとても役に立つので、職場で購入できないか検討してみてはいかがでしょうか。
もちろん私費で購入するのも良いでしょう。
僕の場合、先ほども言ったとおり職場で1冊購入していたのですが、職場のものとは別に自分用に私費で購入していました。
というのも、完全に自分専用にしてしまいたかったからです。自分専用にすれば、外に出るときに持ち歩けるし、書き込みを入れたり大事な箇所にマーカー引いたりしても一切文句を言われることはないですしね。
個人的には、自分への投資だと思って私費で購入したほうが良いと思います。
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