どこの役所でも大抵、棚やキャビネットにはファイルがずらっと並んでいますよね。
必要な文書が入ったファイルを探し出すのに時間がかかっていませんか?
もし時間がかかっているようでしたら、一度ファイルの整理をすることをおすすめします。
私は公務員時代、異動や配置替えで新しい職場に行くと、仕事に慣れてきたタイミングで必ずファイルの整理をしていました。必要なファイルを効率的に探し出せるようにするためです。
今回は、実際に私がやっていた整理方法を紹介したいと思います。
多くの職場でファイル探しに時間がかかっている
役所では今でも大量の紙文書を扱っています。電子申請ができる手続きが増えてきたり電子メールで文書を施行したりと少しずつ電子化は進んでいますが、民間企業と比較するとまだまだというのが実状でしょう。
役所では定められた期間、文書を保管する必要があります。そのため、余程電子化が進んでいる役所を除いては、紙文書を綴じ込んだファイルをしまうための棚やキャビネットが執務室にいくつもあるはずです。私が勤めていた県庁もそうでしたし、出張でお邪魔したことのある自治体はどこも同じでした。
これだけファイルが沢山あると、必要な文書がすぐに見つからないということがよく起きます。
同じようなファイルがずらっーと並んだ棚を前にして、
「あれっ?あのファイルどこだっけ??」
「えっ!?そこにありませんか?」
「ないよ。どこだろう??」
なんて感じで、目的のファイルを見つけるのに時間がかかっている職員を沢山見てきました。
分類して並べるだけではどうしても時間がかかる
ファイルを棚やキャビネットに並べるとき皆さんはどうしていますか?
ファイルを種類ごとに分類して同じ種類のファイルを近くに寄せながら並べていく
こんな感じでやっている方を役所ではよく見ました。分類した本人だけが頻繁に使うものであれば、何となく覚えているでしょうし、それで問題ないかもしれません。
しかし、こんな場合はどうでしょう?
- 分類した本人以外の職員が探す場合
- 久しぶりに使う場合
- 他の職員が使って置き場所が変わってしまった場合
探し出すのに時間がかかるとは思いませんか?
実際、必要なファイルを探し出すのに時間がかかっているケースのほとんどは上記のどれかに該当していると思います。
私の職場でもそうでしたが、複数人で同じファイルを使うことなんて普通にありますし、年に数回しか使わないファイルだってありますよね。
そんなときでもスムーズに目的のファイルを見つけられるようにしておくことが大切です。
必要なファイルを探しやすくする3つのコツ
多くの方がファイルを分類して並べるだけで満足してしまっているように思います。
心当たりのある方は、ファイルを探す際の効率性まで考慮して整理をしてみましょう。
私は具体的に次の3つのことを意識して整理していました。
- 分類の視覚化
- ファイルの並び順の固定
- 責任の見える化
こうすることで実際に必要なファイルが見つけやすくなりましたし、同じ係の職員からの評判も良かったので、皆さんもぜひ試してみてほしいと思います。
具体的な整理方法
それでは具体的な整理方法を説明していきます。
1.分類ごとに仕切りガイドを設置する
こんな感じで分類ごとに仕切りガイドを設置して、誰が見てもそこにどういう分類のファイルが置いてあるのかわかるようにします。
これがあると、探す範囲が明確になって無駄が減りますし、ファイルを元の場所に戻すときにもわかりやすくなります。さらに、それほど目的のファイルを探す機会のない職員でも探しやすくなるという利点もあります。
2.分類ごとにファイルの背見出しの色を分ける
このような感じで分類ごとに背見出しの色を変えてあげます。
こうすることで、どこからどこまでが同じ種類のファイルなのかを視覚的に判別しやすくなります。
一つ目に紹介した「仕切りガイドの設置」だけでもかなり効果があるのですが、色分けまでするとファイルを頻繁に探す職員の効率が上がります。
また、人に説明するときにも
「背見出しが青色のファイルが並んでいるところ」
なんて感じで色を使って相手に伝えられるため、説明がしやすくなるという利点があります。
3.一つの分類の中でファイルに通し番号を振る
各分類の中でファイルを並べる順番を記載します。上の画像の例は、補助金という分類があった場合に、A補助金のファイルに番号1を振って、B補助金のファイルに番号2、C補助金に番号3というように通し番号を振っています。この場合、左から「A補助金」「B補助金」「C補助金」・・・という順にファイルを置いていくことになります。
ファイルを置く順番を決めることで、誰が使用しても同じ場所にファイルが戻ってくるようになります。
また、目的のファイルを誰かが使っていたりして、ファイルの番号が途中抜けていれば、棚から持ち出されていることがすぐにわかり、見つかるはずのないファイルを探す時間を避けられます。
なお、通し番号はシャーペンで書くなど消せるようにしておくと、新しいファイルができたときに簡単に並び順を変えることができて便利です。
4.年度の表記部分は年度別に色を変える
役所にあるファイルは、同じ名前のものでも年度違いが存在しています。古い文書は文書保管庫などの別の場所に移しているケースが多いとは思いますが、1~2年前の文書は執務室に追いているのではないでしょうか。
この年度違いの文書があることもファイル探しに時間がかかってしまう原因の一つです。
そこで私が時間を短縮するためにやっていた方法は、年度の表記部分の色を変えてあげるという方法です。
こうすれば、数字ではなく色で認知できるため、視覚的に判別しやくなり、探す時間の短縮につながります。些細なことですが、この少しの時間が積み重なればそれなりの時間になります。
5.ファイルの管理者と使用者の名前を書く
こんな風に各ファイルに、ファイルの管理者とそれを使う人の名前を書きます。
各ファイルに管理者と使用者を明示することで、次の効果が得られます。
- 何のファイルなのかわからないファイルや不要なファイルが作られなくなる
- 誰が使っているのかを意識するようになり、使用したファイルをきちんと元の場所に戻すようになる
なお、ファイルを使う人が係全員の場合は係全員と書いてもOKです。誰が使うかがきちんと特定できさえすれば問題ありません。
しかし、使用者と違って管理者は一人にすべきです。管理者が複数人になると、なんとなく曖昧になってきちんと管理できなくなるか、実質的に一方ばかりがやって不満が生じるようになるかのどちらかになりがちです。複数人いる場合はそのファイルを一番使う人を管理者にするのが良いでしょう。
(最後に)忙しいときほどファイル整理をきちんとやろう!
いかがだったでしょうか。ファイル探しに時間がかかっている方はぜひ一度試してみてくださいね。
さて、最後に一つアドバイスをしたいと思います。
忙しいときほどファイル整理はきちんとやったほうがよいです!
忙しいときほどファイルの整理は後回しになってしまいがちです。しかしそれだとファイルを探すのに時間がかかってしまい、結果として全体で見ると非効率です。急がば回れという言葉があるように、面倒かもしれませんが忙しいときほどファイル整理をきちんとやっておくべきだと私は思います。
それでは、私のやり方が少しでも皆さんの業務効率化に役立てば幸いです。