元公務員のAKASHIです。
とある県の財政課で予算査定を経験しました。
慣れるまでは本当に辛くて何度もくじけそうになりました。
そのときの経験を踏まえ、財政課の予算査定担当になった方に伝えたいことをまとめました。
この記事が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
はじめは仕事ができなくて当たり前
財政課の予算査定担当になった方にまず伝えたいこと、それは
はじめは仕事ができなくて当たり前
だということです。
財政課ではじめから活躍できる人はいません。
中には、かなりの査定センスを持っていていきなり活躍できてしまう人もいるかもしれませんが、そうじゃない人のほうがほとんどでしょう。少なくとも僕は見たことがありません
最初は仕事ができなくて当たり前ということを理解し、力を蓄えつつ1年目は乗り切るという姿勢が重要です。
1年目を乗り切るためには同僚から信頼されることが大事
小さな自治体だと例外はあるかもしれませんが、基本的に予算査定を担当する職員は財政課内に何人もいます。部局ごとに査定担当者がいるような感じですね。
自分以外にも予算査定をしている人がいるわけですから、その人たちはかなり助けになります。特に査定担当3年目以上の(予算査定における)先輩なんかは査定1年目の職員にとってはかなり頼りになります。というよりは彼らの助けなしでは1年目を乗り切ることはまず無理でしょう。
そのため、査定1年目の方は同僚が気持ちよく助けてあげたいと思う存在の職員になることが重要です。
そんな存在になるために必要なのは信頼されること。仕事にはまだ慣れなくて処理が遅かったりミスがあったりしても、真摯に取り組むことができれば周囲から信頼されることでしょう。
また、予算査定は体力的にも精神的にもつらい仕事です。一緒に頑張っている同僚がいるということは大きな精神的支えになるので、同僚との信頼関係はとても価値の高いものです。このことを決して忘れないようにしましょう。
秋以降の当初予算査定に向けて力をつける
予算査定といっても春に異動していきなり予算査定というケースはあまりありません。
補正予算がなければ、そのほかの仕事をこなしつつ翌年度の当初予算という山場に向かっていくという流れになります。
予算査定が本番を迎えるのは秋以降。それまでに必要な知識やスキルを身につけておきたいところです。
コミュニケーション能力と論理的思考力を身につける
予算査定に必要な知識や能力は沢山ありますが、重要なのはコミュニケーション能力と論理的思考力、この2つです。中でも公務員はこれ得意じゃないよなあ、と僕が思っているものを5つ挙げておきます。
- アサーション
- 傾聴
- 質問力
- MECE
- オプション思考
一つ一つの説明はしませんので、上記5つの中に知らない単語がある場合は書籍やネット等から情報を得ていただければ思います。書籍は沢山出ていますし、ネットでもかなり情報は手に入るはずです。
僕が書いた傾聴とアサーションに関する記事も紹介しておきます。参考にしてください。
過去の査定資料を読み込む
秋以降の本番に向けて過去の査定資料を読み込むことも大事な準備です。
最初に「直近の当初予算」、つまり「当年度の当初予算」ですね。これを読み込みましょう。
補正予算があればその当初予算が前提になりますし、翌年度の当初予算査定にあたってもその前年度予算(つまり現時点における当年度予算)が土台になります。
「当年度の当初予算」がとても重要だということが理解できると思います。
当年度の当初予算が済んだら次は「昨年度の予算」です。
当初予算から最後の補正予算までの査定資料を読んで一年の査定の流れをおさえておきましょう。
このほか、重要な事業については過去数年分の査定資料を見ておきたいところです。
ここで一つアドバイスしておきたいことがあります。それは、
気になるところやわからないところがあったら、そのままにしておかずにきちんと確認するべし!
ということです。前任者に確認したり、上司や先輩に相談したりするなどして答えを出すことで査定に関する考え方が鍛えられます。
このほか、査定資料以外にも重要な資料は沢山あると思いますので、先輩に相談して重要な資料には目を通しておきましょう。
1年目を乗り切れば2年目以降は大分楽になる
1年目は本当に大変ですが、ここまでに書いたことをしっかりやって、当初予算査定という山場を乗り切れば、2年目からは見える景色が変わると思います。
少し大げさに思われるかもしれませんが、確かに僕はそう感じました。
なので、そう信じて大変な1年目を乗り切ってほしいと思っています。
ちなみに、一つだけ注意点があります。2年目以降は楽になると言いましたが、場合によっては査定が難しい部局の担当になったり、新しい仕事を振られたりして余計に忙しくなく可能性もあります。
(補足)予算査定の仕事が不向きな人だっている
人には向き不向きというものがあります。
残念ながら予算査定に向いていない方も存在するということですね。すごく仕事ができると評判の職員が財政課ではパッとしないなんてこともあります。
なので、ここまで僕が書いてきたことを実践したり他にも色々努力したりしたけど、どうしても上手く予算査定ができない、なんて方がいらっしゃるかもしれません。
そんなときはどうするか。
そのときはその事実を認めるしかありません。
その上で、なぜ自分は上手く査定ができないのだろうかと自分自身を客観的に見てみましょう。そうすることで何か原因が見つかるかもしれません。それが克服できるものであればいいのですが、できない場合はそれを受け入れて働くしかありません。
予算査定というフィールドでは活躍できないかもしれませんが、最低限の仕事をしっかりやって次の異動までなんとかやり過ごせばよいのです。自分が本当に苦手な分野でも活躍する、なんてのは現実的ではありません。
しばらく異動はできないかもしれませんが、死ぬまで財政課なんてことはありません。必ず異動できます。すぐには異動できなくても財政課内で予算査定とは別の担当に配置される可能性だってあります。
また、先ほど書いた「同僚から信頼される」、これがしっかり実現できていれば、予算査定に向いていなくても周囲に助けてもらいながらなんとか乗り切れると思います。
自分自身をきちんと評価したうえで、予算査定という仕事にどうやって向き合うのかをしっかりと見定める必要があります。
こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
はじめての予算査定、1年目は本当に大変です。
本記事で書いたことを参考にして1年目をしっかり乗り切ってほしいと思います。
記事のポイントをまとめておきます。
- 最初は仕事ができなくて当たり前。力を蓄えつつ1年目を乗り切るという姿勢が重要。
- 1年目を乗り切るためには同僚の助けが必要。同僚から信頼されるためにも仕事には真摯に取り組もう。
- 秋以降の当初予算査定が本番。それまでに力をつける。
- 大事なのはコミュニケーション能力と論理的思考力。アサーション、傾聴、質問力、MECE、オプション思考、このあたりを身につける。
- 秋以降の本番に向けて過去の予算査定資料を読み込むことも大事な準備。気になるところやわからないところは必ず確認すること。
- 当初予算査定を終えて1年目を乗り切れば2年目以降は大分楽になるはず。
- (補足)予算査定の仕事が不向きな人だっている。向いてない場合は自分自身としっかり向き合う。その上で、最低限の仕事をしっかりやって次の異動までなんとかやり過ごそう。
以上、「財政課の予算査定担当になった方に伝えたいこと」でした。
少しでも参考になれば嬉しいです。
大変だとは思いますが、お体を大切にして頑張ってください。
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